大人になってから始めるおすすめの英語勉強法
大人になってから英語を始めるきっかけは様々です。
仕事で必要になった。出世には英語が必要だと言われた。子育てが終わって時間に余裕ができた。老後の楽しみ。なんとなく急にやりたくなった。
でも英語を勉強するのは学生時代以来。そんな人たちが何をまずやったら良いのかを書いていきたいと思います。
まずは単語と文法を総復習しましょう
まずは単語と文法をコツコツとやってください!これは絶対です。
「文法なんて学校でさんざんやったけど英語話せるようにならなかったし、つまらない!」と思うかもしれません。
「赤ちゃんが英語を覚えるとき文法なんて勉強しない。文法の勉強なんてしないでいっぱい英語を浴びればできるようになる」と思うかもしれません。
でもそうではありません。コロ助の個人的な経験から言わせてもらうと、単語や文法が不十分なままいきなり英会話学校に行ってもお金をドブに捨てるようなものです。また英語の本を読んだり映画を見たりしても効果は薄いでしょう。
「日本語を一切遮断して、生活のすべてを英語にする」くらいの覚悟があれば、いきなり英会話や映画といった学習方法でも成功するかもしれません。それこそ海外に移住し、日本語でのコミュニケーションを一切取らず、買い物もテレビもすべて英語。一日数時間をネイティブとの会話に費やす。こういう環境に自分を置けるようであれば、いきなり英会話という方法でも良いでしょう。
実際に英語を始めて学ぶネイティブの赤ちゃんはこのような状況です。DadやMamがつきっきりで英語で話しかけてくれて、絵本を英語で読んでくれて、テレビもずっと英語。こんな環境が何年も続いて、やっと英語が話せるようになるのです。
でも大人になってから英語学習を始める人にそんな時間はありません。仕事をしていたり子育てがあったり家事があったり、毎日毎日15時間も英語学習に費やせる人は多くないでしょう。せいぜい1日に2時間~3時間が限度ではないでしょうか。
そんな2時間や3時間という限られた時間の中で、漫然と映画なんて観てみても何も身に付きません。また週に2回、30分の英会話レッスンを受けても効果は皆無です。
単語や文法の勉強は、こうした学習時間の少ない人たちに対して最短距離で英語力を高めるための武器となります。高校で学ぶ範囲までの単語と英文法を総復習していきましょう。スタディサプリやAnkiなどの英語学習アプリを使うのが効果的だと思います。
大人なのである程度自分で自由になるお金があるはずです。無料アプリだけではなくて有料のアプリを使った方がよいでしょう。やはり毎月数千円くらいとるアプリは質が良いことが多いです。
ここが英語学習としてはいちばん地味で苦しく、挫折しそうになる時期です。「英語をやるぞ」とモチベーションが高いうちに、短期間に一気にやってしまうことをお勧めします。
試合で活躍するためには素振りは必要ですが、かといって素振りだけしていてもプロ野球選手にはなれません。素振りを十分にやったらバッターボックスに立つ必要があります。
リーディングとリスニング
ある程度単語と文法がわかるようになれば、次はリーディングとリスニングです。
リーディング
リーディングは自分の興味のある分野の文章を読むとよいでしょう。インターネットには山ほど英語の文章があふれています。わざわざつまらない文章が載っているリーディング用の参考書を買う必要はありません。
コロ助はメジャーリーグが好きなので、MLB Trade Rumorsというメジャーリーグの選手の移籍情報が日々更新されているサイトをよく読んでいました。その他にもThe Japan Timesのニュース記事を読んだり、外国人の方が日本を紹介しているブログを読んだり。
無料で色んな記事がWebにはあるので自分のお気に入りのサイトを探してみてください。
またKindleで「English Comic」と検索すれば、英語のコミックブックがいくつも見つかります。ドラゴンボールや鬼滅の刃といった日本の少年漫画、シンプソンズやスヌーピーといった海外の漫画、スパイダーマンやバッドマンといったアメリカヒーローもの、何でもござれです。中にはKindle Unlimitedの読み放題に含まれているものもあります。
リスニング
リスニングの勉強はPodcastとYouTubeがベストです。
Podcastのお勧めは以前ブログで紹介したバイリンガルニュースです。男性と女性のフリートークですが、取り上げるニュースの内容が面白く、ついつい何時間でも聞き入ってしまいます。自然なスピードの会話なので、これが完璧に聞き取れるようになればTOEICなんかは楽勝でしょう。
YouTubeのお勧めはTEDです。世界各国の有識者たちのスピーチを無料で見ることができます。5分や10分という短い動画もあるので、隙間時間を活用して観ることができます。
ここでも大人なので少しお金を使いましょう。TEDICTというスマホアプリをインストールすることをお勧めします。
このアプリを導入することで、TED動画をスマホにダウンロードすることができるようになります。Wi-fiがある環境であらかじめダウンロードしておけば、電車の中などの出先でもギガを気にせずガンガン視聴することができます。
またこのアプリではディクテーション機能がついており、TED動画を使ってディクテーションの練習を行うこともできるようになります。
いずれにせよ、このリーディングとリスニングは何よりも「自分の興味のあるもの」「続けていて苦にならないもの」をお勧めします。リーディングとリスニングの習得には時間がかかり、数年間勉強し続ける必要があります。毎日ストレスになるような勉強方法では数か月で挫折してしまうでしょう。
三日坊主にならないように、やっていて面白いコンテンツを見つけましょう。
英会話
リーディングとリスニングがある程度できるようになってきたら、同時並行的に英会話の練習を始めましょう。英会話教室やオンライン英会話です。
まずいきなり英会話をすると、挫折を味わうことになると思います。
リーディングは時間をかけて何度でも読むことができますし、リスニングも巻き戻して何度も聞くことができます。
一方で英会話は「相手の言うことを一度で理解し」「返答を英作文し」「それを発音する」というステップを瞬時で行わなければなりません。
一見簡単な受け答えでも、瞬時には単語や表現が出てこないことが良くあります。コロ助も英会話教室に入ったころに「なんで英語が必要なの?」と聞かれ、「外資系企業に転職したから」と応えたかったのですが、「あれっ転職って英語でなんて言うんだっけ?move? change? 外資系ってなんていうんだろう。global company? foreign company?」とまごまごしてしまい全然うまく話せませんでした。
はじめて英会話教室に入ったころのコロ助の英語力は、TOEICで言えば600点台半ばでした。TOEIC600点台と言えば以下のようなレベルだと言われています。
まさにこんなレベルでした。なかなか瞬時に言いたいことを英語に変換できず、"yes......" とか、"OK, but I think, うーん...." とか、言葉に詰まってしまうことがたくさんありました。
個人的にはこのTOEIC600点台はまだ英会話教室には時期尚早であり、講師とペラペラとフリーディスカッションができるレベルでは全然ありません。もしこのレベルで英会話教室に通うことになったとしても、おそらく「定型文」の練習でいっぱいいっぱいではないかと思います。
定型文とは例えば電話の取次ぎで「では山田に転送します。少々お待ちください」「山田はただいま席を外しております」といったような、ある程度決まった言い回しです。ビジネス英語においては電話対応やアポ調整などある程度決まった定型文を覚えておくことは有効ですので、こうした定型文の練習のために英会話教室を使うのは有効かもしれません。
コロ助もこのTOEIC600点台時代は、英会話教室でこうした定型文の練習をひたすらやりました。講師の方と何度も何度も「山田部長はいますか?」「ただいま山田は席を外しております。伝言を承りましょうか?」といったようなテキストの読み合わせをやりました。
ただしこのような単なる「テキストの読み合わせ」に対して高い授業料を払うのはややもったいないです。
例えばスピークバディという英会話アプリであれば、こうした定型文の練習にもってこいです。スマートフォンの音声認識で自分の発音をチェックできます。英会話教室は「1回40分、週2回、月額4万円」であるのに対し、スピークバディは「時間無制限、月額約2,000円」です。まだ定型文くらいしか話せないレベルであれば、英会話教室に行くよりもアプリで英会話練習をした方が上達は早いのではないかと思います。
英会話教室、オンライン英会話を始めるのはこの「単語、文法を総復習する」「リーディングとリスニングを鍛える」「定型文を使いこなせる」というプロセスを経て、ある程度講師と英語でコミュニケーションがとれるようになってからが良いでしょう。それまでは別の方法で英語力を鍛えた方がはるかに効率的だと思います。
まとめ
英語の上達には以下のステップを踏むのが最も効率的です。
1.単語と文法
2.リーディングとリスニング
3.英会話
1.は地道な勉強が続きます。時間をかけると途中で勉強に飽きてしまいますので、短期間で一気に集中してやることをお勧めします。
2.は1よりも面白く、勉強方法も工夫のしがいがあります。
3.はあまり早い段階で取り組んでもお金の無駄です。腐るほどお金を持っているお金持ち以外の方は1と2で力をつけてから取り組みましょう。
もっとも重要なことは「長く続ける」ことです。英語は1年や2年で習得できるものではありません。5年10年、あるいはそれ以上の年月をかけて徐々に上達していくものです。
そして長く続けるためには自分に合った学習方法を見つけることが大事です。どんなに巷で効果的だと言われている学習方法でも、イヤイヤやっているようでは長続きしません。
コロ助は英会話教室が苦痛でした。もともと人見知りな性格もあり、初対面の人と話すことに対してストレスを感じていました。なんとなく美容室や服屋の店員さんと会話するのを苦痛に感じるのと似た感覚です。最初はがんばって通っていました。しかし段々「仕事が忙しい」「子育てが忙しい」とか適当な言い訳をつけて足が遠のいていってしまいました。
どんなに効果的な学習方法でも続けなくては意味はありません。英会話教室に通うのでも、洋楽を歌うのでも、六本木で外国人をナンパするのでも方法はなんでも良いです。ストレスなく続けられる自分に合った学習方法を見つけることが英語上達の近道です。
- 鳥谷コロ助
へぼい外資系リーマンです。英語はいまだに勉強中。TOEIC875点。Bond-BBT MBA。英語学習とMBAと資産運用についてのブログを書いています。平飼いの卵とフェアトレードを好みます。金持ち父さんになるために日々悪戦苦闘。面白いことと平和なことが好きです。