ポリグロットに共通するたった一つの語学勉強法
ポリグロットとは、多言語話者というように訳されます。複数の言語を操る人のことです。二か国語話せる人のことをバイリンガル、三か国語を話せる人をトリリンガルと言ったりしますが、ポリグロットはそれ以上、人によっては10以上の言語を話します。
ヘボいコロ助は第二言語として英語を学ぶだけでも四苦八苦しているのですが、ポリグロットはどのように多言語を習得しているのでしょうか。
ポリグロットの語学学習法
コロ助の周りにもトリリンガルくらいであればたまにいます。日本語と英語と中国語、日本語と英語とドイツ語などといった組み合わせが多いですね。母国語+英語+その他もう一つという組み合わせが多いです。ちなみにコロ助は大学で第二外国語としてフランス語を2年間学びましたが、今では全く話せません。。
こちらのTEDに登場するリディア・マホヴァ氏もポリグロットの一人。2年おきに1つの言語を勉強しており、今8つ目の言語に取り組んでいるそうです。
コロ助にように英語すらまともにできない人もいれば、リディア氏のように複数の言語を操る人もいる。その違いはどこにあるのでしょうか。
このTEDではリディア氏が他のポリグロット達にインタビューをし、それぞれどのように言語学習をしているのかその方法を紹介しています。そこに共通点はあるのでしょうか?
いきなり話す
最初にリディアが話を聞いたのはポリグロットのひとり、アイルランドのベニーです。
ベニーはまず学習初日から「いきなり話す」ことで新しい言語を学んでいきます。トラベル会話帳でいくつかのフレーズを覚えると、いきなりネイティブスピーカーに話しかけます。
今はスマホアプリなどで海外の人とつながることもできる時代です。ベニーは何百回間違えても気にせず、相手の反応を見ながら失敗を通じて言語を学んでいきます。
Skypeで模擬会話
ブラジル出身のルーカスの例です。
ルーカスはロシア語を学ぶ際、まずSkypeでロシア語話者を100人友達に追加しました。
ルーカスはそのうちの1人にロシア語で「Hi」とチャットに打ち込みます。相手は「Hi、元気かい?」と返信してきます。
ルーカスはこの「Hi、元気かい?」という返信を他の人のチャットにコピペして送信します。そうするとその人から「元気だよ。あなたは?」と返信があります。
その後ルーカスは「元気だよ。あなたは?」という返信を始めの人にコピペして返します。こうしてルーカスを通して、全く知らないロシア人2人が会話をしていくことになります。
ルーカスはこうした会話を繰り返すうちに、ロシア語での会話の始まり方をマスターしていきます。
発音の真似からはいる
まずはその言語で最も使用されるフレーズを500個覚え、それの発音を何度も真似をすることで言語を習得するポリグロットもいました。
文法書を読む
まずは文法書を読み、その文法の一覧表を作ったりフラッシュカードを使って覚えるというポリグロットもいました。
言語の習得法に共通点はあるのか?
このようにリディアは何人ものポリグロットにインタビューをしていきますが、皆その学習方法はバラバラです。スピーキングから入る人もいればライティングから入る人、また文法から入る人もいます。
しかしリディアはその中にたったひとつの共通点を見出します。
それはみんな語学学習の過程を楽しんでいるということです。
語学の学習方法について聞いたとき、みんなとても楽しそうに語ってくれたということです。
文法から学ぶと答えた人は、顔を輝かせカラフルに色分けされた文法の一覧表を見せてくれたそうです。アプリに記録されたボキャブラリーの学習データを自慢げに見せてくれた人、料理のレシピを外国語で検索して作る楽しさを語る人、このようにみんな語学学習の楽しさについて語ります。
「いやー、血反吐を吐きながらやりましたよ。毎日泣きながら執念で勉強してました」というような根性論の人は1人もいません。
リディア自身もフランス語のハリーポッターの本を読んだり、ドイツ語のフレンズのドラマを見たり、自分なりに楽しめる方法で語学を習得していきます。
スラムダンクでバスケ初心者の桜木花道がシュートの練習をしていたときのこと。「シュートの練習は楽しかった」といい、2万本のシュート練習を苦も無く乗り越えます。楽しさがあれば続けることができるのです。
©井上雄彦「スラムダンク」集英社
先ほど紹介したSkypeの模擬会話でロシア語をマスターしたルーカスは、10年間学校で英語を勉強しました。しかし彼の成績は最低クラスで、友人からもバカにされていました。
そんなルーカスが様々な方法を試し、Skypeでの語学学習法を編み出しました。そしてその学習方法を楽しんでいるうちに、10年間で11個の言語を話せるようになりました。
このようにそれまで何年勉強しても語学を習得できなかった人が、自分が楽しめる勉強法を見つけ出したときにあっという間に新しい言語を習得するというのは珍しいことではないそうです。
「好きこそものの上手なれ」ということわざが日本にはあります。人は誰もが好きなことには熱中し、上達が早いという話です。一方で「下手の横好き」ということわざもあります。これは好きにもかかわらずそのものごとが下手であることを表す表現です。
こと語学学習に関しては「好きこそものの上手なれ」が当てはまりやすいです。
スポーツなど体格差が有利不利にかかわるようなものは、どんなに好きで練習を続けていても越えられない壁があるでしょう。また将棋など記憶力や分析力などといった能力が必要な分野についても、どんなに好きであっても羽生さんや藤井さんのような天才にはかなわないかもしれません。こうした分野であれば「下手の横好き」が生まれます。コロ助も野球は好きですが、草野球レベルを超えることはできません。下手の横好きです。
一方で語学に関しては、特別な才能は必要ありません。このブログを読んでいる皆さんはすでに日本語を習得している人がほとんどでしょうし、英語圏に行けば3歳4歳の子どもが我々よりも流暢に英語を話しています。好きで続けていれば誰もが習得可能なもの、それが言語です。
自分が好きな勉強法を見つける前に「自分には語学の才能がない」と諦めてしまうのは勿体ないことこの上ありません。
コロ助は英会話教室やオンライン英会話を「楽しい」と思うことはできませんでした。英会話教室は1年くらい、オンライン英会話も80回くらいこなしたところで辞めてしまいました。
理由はさまざまですが、もともと人見知りで初対面の講師と話すことにストレスを感じていたことがいちばんの理由です。レッスン前は「楽しみだなーワクワク」という気持ちは皆無で、「会話が盛り上がらなかったらどうしよう」「うまく伝わらなかったらどうしよう」という不安が常にありました。
もちろんレッスン後に「今日はうまくできたぞ」と満足感を味わうことも多々ありましたが、それよりも「はーやっとレッスン終わった。これでしばらくストレスから解放される」というようなほっとした気持ちの方が大きかったです。
英会話教室が苦手な人は、独り言を英語で言うという勉強法もあります。お風呂でひとり、今日どんな出来事があったのかをブツブツつぶやいてみてもよいでしょう。アプリを使ってAIを相手に話しかけるのもよいですし、お気に入りの映画をシャドウイングしたり好きな洋楽の完コピを目指すのもよいですね。英語でYouTuberデビューという離れ業をやってのける人もいますし、2分間スピーチを録音してTwitterにアップロードしている人もいます。
自分に合わない勉強法を無理に続けても決して上達しません。それよりも新しい勉強法を試し、自分に合う方法をいち早く見つけましょう。
- 鳥谷コロ助
へぼい外資系リーマンです。英語はいまだに勉強中。TOEIC875点。Bond-BBT MBA。英語学習とMBAと資産運用についてのブログを書いています。平飼いの卵とフェアトレードを好みます。金持ち父さんになるために日々悪戦苦闘。面白いことと平和なことが好きです。