新規ビジネスのアイデア発想フレームワーク【どんぶりとセグメンテーション】
元マッキンゼー、現ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏の著書『発想力:「0から1」を生み出す15の方法』(小学館新書: 2018)において、ビジネスにおいて新しい発想を行う際の様々な「型」が紹介されています。今日はその中のひとつである「どんぶりとセグメンテーション」について紹介します。
どんぶりとセグメンテーションとは
商品のターゲットを特定の顧客層のために特化することを「セグメンテーション」といいます。セグメンテーションについてはこちらの記事でも説明しましたが、細かく顧客層を分類することで、その層に響く商品を提供することができます。
一方でセグメンテーションが細かすぎても顧客はどの商品を選んでよいのか迷ってしまいます。そうしたときに出てくるのが「どんぶり」の発想です。
著書ではシャンプーの事例が取り上げられています。シャンプーは非常に細かくセグメントされており、「しっとり仕上がる」「アンチエイジング」「フケやかゆみが気になる人向け」「加齢臭が気になる人向け」「ダメージケアが気になる人向け」など、さまざまな種類のシャンプーが販売されています。
このように細かくセグメンテーションされている場合、4人家族が自分に合ったシャンプーを選べば浴室に4本のシャンプーボトルが並ぶことになります。またリンスやコンディショナーなどを合わせれば10本近くのボトルが並ぶことになるでしょう。
ここで出てくるのがどんぶりの発想です。ライオン社の「ソフトインワン」という商品は、この1本があれば家族誰でもシャンプーもリンスも出来る「ちゃんとリンスしてくれるシャンプー」というキャッチコピーでヒットしました。セグメントが細かくなりすぎている商品やサービスに対してあえて「どんぶり勘定」のようにターゲットを広くとることで新商品の開発のきっかけとなることがあります。
どんぶりとセグメンテーションによる新発想
ここでコロ助が「どんぶり」の発想に基づいた新商品アイディアを紹介します。それは家中の掃除のいたるところに使える万能洗剤です。
現状は様々な洗剤が存在します。トイレ用洗剤、キッチン用洗剤、浴室用洗剤、ガラス用洗剤・・・等。これらの成分は実はほぼ同じものです。なのでトイレ用洗剤だけを買っておいてそれで食器も窓ガラスも浴室も洗っても問題はありません。
とはいえ、トイレ用洗剤で食器を洗うことには心理的なためらいがある人が多いでしょう。
そこで「万能クリーナー」というネーミングをつけて、家庭内の掃除の何にでも使える洗剤を開発したらどうでしょう。これ一本でトイレにも食器にもお風呂にもガラスにも使うことにそれほど抵抗はなくなるのではないでしょうか。
様々な洗剤の在庫管理を個別に管理する必要がなくなりますし、保管スペースも節約できるようになります。特に掃除に対してそれほどこだわりのない人(一人暮らしの学生など)には利便性が高いのではないかと思います。
- 鳥谷コロ助
へぼい外資系リーマンです。英語はいまだに勉強中。TOEIC875点。Bond-BBT MBA。英語学習とMBAと資産運用についてのブログを書いています。平飼いの卵とフェアトレードを好みます。金持ち父さんになるために日々悪戦苦闘。面白いことと平和なことが好きです。