新規ビジネスのアイデア発想フレームワーク【ニューコンビネーション】
元マッキンゼー、現ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏の著書『発想力:「0から1」を生み出す15の方法』(小学館新書: 2018)において、ビジネスにおいて新しい発想を行う際の様々な「型」が紹介されています。今日はその中のひとつである「ニュー・コンビネーション(New Combination)」について紹介します。
ニュー・コンビネーションとは
ニュー・コンビネーションとは、既に市場に存在する2つのモノやサービスを組み合わせ、新たな価値を生み出すというアイディア発想法です。バス+船=水陸両用車、英会話教室+Skype=オンライン英会話、喫茶店+漫画=漫画喫茶といったような具合です。
著書では「個別のミクロ的な価値提供に留まらず、ユーザーのニーズをトータルで考える視点を忘れてはいけない」と書かれています。2つあるものを単純にくっつけるだけではなく、そこから新たな価値を生み出す必要があります。著書では「テレビ+時計」という例が挙げられていますが、大体部屋の中には1つは時計が置いてあるため、わざわざテレビ画面で時間を確認する必要性がなく、このような組み合わせには広がりがないと指摘しています。機能をプラスすることばかりに気を取られて、それをユーザーが求めていなかったり、新たな付加価値を生まないコンビネーションであれば意味はありません。
フィリピンパブ英会話
ここでひとつコロ助の考えたニューコンビネーションの案を紹介します。
「フィリピンパブ+英会話スクール=フィリピンパブ英会話」。
娯楽の場であるフィリピンパブと、学習の場である英会話スクールの組み合わせです。形態はパブで女性が男性にお酒を出して接客するものですが、女性はみなフィリピン出身で第二言語として英語が話せ、また英会話講師としてのトレーニングを受けています。
英会話上達のためのいちばんの近道はたくさん話すことです。しかし実際には「間違えたら恥ずかしい」といった気持ちが先行してしまい、積極的に話すことができないという人も多いのではないでしょうか。
ここでフィリピンパブで英語を教える、というフィリピンパブ英会話を提案します。英会話教室とフィリピンパブを組み合わせることで、「お酒の力で会話に積極的になれる」「女の子と仲良くなりたいため一生懸命話す」といったモチベーションが生まれ、英会話能力向上につながることでしょう。下記参考リンクにあるように、研究では適量の飲酒は第2言語の上達に役立つことがわかっています。
またキャバクラなどに行きたいが後ろめたい気持ちがある人に対して「英会話スクールに行っている」という大義名分を与えることが可能で、既婚男性もターゲットとすることが可能です。
英会話上達のための最も重要な点は「どのようにして続けるか」です。せっかく効果的な学習方法であっても、面白くなくて続かないのでは意味がありません。モチベーション維持に特化した英会話教室の形態として、フィリピンパブ英会話はうってつけでしょう。
このように単に異質の2つのものを組み合わせるだけではなく、組み合わせによってなんらかのシナジーが生み出されることが「ニューコンビネーション」の成功の秘訣です。フィリピンパブ英会話の場合は、「お酒の力で英会話が恥ずかしくなくなる」という点がパブとお酒を組み合わせたシナジー効果です。
参考リンク
It’s True: Alcohol Helps You Speak a Foreign Language Better
http://time.com/4989850/alcohol-foreign-language-speak/
- 鳥谷コロ助
へぼい外資系リーマンです。英語はいまだに勉強中。TOEIC875点。Bond-BBT MBA。英語学習とMBAと資産運用についてのブログを書いています。平飼いの卵とフェアトレードを好みます。金持ち父さんになるために日々悪戦苦闘。面白いことと平和なことが好きです。